こどもに教える電気や半導体のこと

おもちゃに使う電池や、モーターを使っての工作など、

日常のなかでも電気を扱う機会は多いですね。

どうして電気は流れるの?


電流が流れるとはどういう現象でしょうか。


すべての物質は分子から成っています。

そしてその分子をさらに分解すると、原子になります。

原子の中心には原子核があり、その周りを電子が取りまいています。

この原子核の外側をまわる電子がもとの軌道を離れて移動していくこと=電流が流れるという現象です。


原子核の外側をまわっている、比較的自由な電子がもとの原子核を離れて移動して行くのです。

電子の数

元素記号表はそれぞれの元素が持っている電子の数を表しています。

1番目の水素は電子を1個持っています。
2番目のヘリウムは電子を2個持っています。

太陽のまわりを惑星がまわるイメージで、
原子核のまわりを電子が回っています。

原子番号はその原子の電子の数を表しているのです。

1 水素

2 ヘリウム

3 リチウム

4 ベリリウム

5 ホウ素

6 炭素

7 窒素

8 酸素

のように続きます。

電子は原子核が中心となった球殻上の軌道に配置されます。

原子核に近い、最初の軌道をK殻といい
ヘリウムはここに2個電子が回っています。


K殻にまわれる電子は2個までと決まっています。


電子を3つもつ元素Liの
3つ目の電子はもう1つ外の殻であるL殻を周ります。


ちなみにL殻は8個まで電子がまわれます。


そして

1個または少数で外側の殻をまわっている電子が、周囲との結びつきが弱いために軌道をはずれ飛び出るのが自由電子です。

グループができてないので自由に移動しやすい電子です。


電流が流れるという現象は自由電子の移動によるものなのです

一番電気を通しやすい金属は銀です。

次に銅がつづきます。

多くの送電線や電気コードには銅が使われています。

銀だとコストがかかってしまうからですね。

銅の原子は外殻に電子が1つ余っている配列となっており、この余った電子が自由電子となります。

ちなみに、K殻L殻M殻というように

アルファベットのKからスタートしている理由は

K殻の内側にさらに殻が発見された場合のためにのこしてあるとのこと。

今のところ新しく見つかってはいないようです。

半導体ってどんなもの?

半導体を使って電気を流したり止めたり制御できます。

自由電子が多いほど電気をよく伝えます。(導体)
自由電子が少ない物質は電気をほとんど伝えません。(絶縁体)

電気が流れる物質を導体といいます。

電気が流れない物質を絶縁体といいます。 

導体と絶縁体の中間の性質を持つのが半導体です。


半導体って聞いたことありますが絶縁体と導体の間だから半導体です。
半導体と、導体と絶縁体との明確な境界はありません。

半導体は何がすごくて、どういう役割をしているのでしょうか?

半導体は、その性質を利用して、電気を流したり、流さなかったり、
思い通りに操作する仕組みが作れるのです。

ダイオードやトランジスタと呼ばれるもので、これらによって電気を制御して私たちの暮らしに役立てているのです。

電気の働きや仕組みを理解するためには電子の流れをイメージすることが大切です。

電子のことがイメージできると
電気回路への興味や愛着もいっそう大きくなりますね。

ちなみに、

電流はプラスからマイナスに流れると定義されていますが

電子はマイナスからプラスに流れています。

電子の動きが後から判明し、はじめに定義されていた電流の流れとは反対だったのです。